【俺は誰だイズム】

STRANGENESS ドラムです。

【インタビューシリーズ第一弾!】

前回のブログでもお伝えしていた《インタビューシリーズ》を始めます!

記念すべき1人目はこの方!

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景山潤一郎さん(THE PRISONER)です。

3月6日発売のベスト盤に加え、5月にはニューアルバムを発売を予定し、現在レコーディング真っ只中。雑誌への執筆活動に加え、さらには4月に『子供食堂』をスタートさせる。その多忙極まりない状況にも関わらず、快くインタビューに応じてくれた。

真夜中、缶コーヒーの開ける音(本当はバリスタコーヒー)ともに始まったインタビュー。《景山潤一郎》の『人間力』を楽しんで頂ければと思います。

 

 

−潤一郎さんとも長い付き合いになりますが、僕がインタビューをするのは今回が初めてです。僕ら(STRANGENESS)と初めて会った時の印象どうでした?
好印象だったよ。良い意味で。他の人からはどう見えるのかわからないけど
所謂、パンク・ルックじゃない3人組だけど他の彼等と同世代のパンク・バンドよりも飢えている印象。「飢え」より「渇き」が近いかな。だから俺には物凄く個性豊かな3人に見えた。西遊記の悟空、沙悟浄猪八戒みたいな感じにね。
− え~っ!誰が悟空で誰が沙悟浄なんですか?
まぁ、悟空は翔だよね。モンキー・フェイス。英語で言ってみたんだけど猿顔だからね。
リョウは沙悟浄。雰囲気沙悟浄。ヨシカズは猪八戒だね。精神的猪八戒
−すいません。言っている意味が解らないんですけど、それウチらのことディスられていることは確かですよね。
ディスってないよ。ディスってない。褒め言葉さ(笑)
−潤一郎さんだって西田敏行さん的じゃないですか。意外に涙もろいし。
翔、ノンノン!それはダメだよね。ストレートすぎるよ翔。それは猪八戒って言うよりもある意味深く刺さるよ。ひねったぶん。ストレンジネスはセンスの塊に感じたよ。苦労するだろうけど素晴らしい作品やライブを展開する予感はあった。後、長旅に耐えられる耐久力、スタミナは感じていたよ。
−まあいいです。次いきます。THE PRISONERは結成何年目ですか?
結成14年目ってことにしているよ。結成で考えるとね。最初はTHE AVOIDEDってバンドから変名した形だったからその時期はカウントしないようにしている。だから結成14年目、来年15周年。
−長く活動してきた中で、今の音楽シーンについてはどう思います?
今の状況・・・・バンドを取り巻く状況は時代的に言えばよくないよね。時代に逆行している部分の方が大きいんじゃないかな。物が売れない時代だの人が入らない時代だの言われているけどさ、確かにそうさ、CDなんてメディアを買う若者なんていないのかもしれないけれど、現実に宇多田ヒカル安室奈美恵は100万枚売るんだからね。
−音楽を聴く人が減ってる訳ではないですからね。
うん、そうなんだよ。だから時代を決めつけることはしない。ネットワークの環境的にいくら地球の裏側の住人と一瞬で繋がろうとも、私達の愛し合い方やぶつかりあい方は変わっていない。どんな高性能な何万光年先が見える望遠鏡がつくられようが目の前の人の心は見えないからね。人間らしさってのは大切にしていきたい。
−1stアルバム【LOOKIN’ FOR A LOVE】から現在に至るまで、音楽性の変化(進化)はもちろんですが、歌詞のアプローチも変わってきてますよね。何か変わるキッカケになった事とかありました?
1stから3rdまではスキンヘッドとかモッドにこだわっていたんだ。それも既発の発想じゃない使い古されていない表現方法って大前提があったうえで。欧米コンプレックスもあったんだろうけど、純粋にイギイスのユース・カルチャーが好きだったっていうのもあった。だけど所謂この国で水平展開されているスキンヘッド・アプローチやモッド・アプローチには食傷気味だったよ。
−それは何故ですか?
大多数はパターン化していたけど、パンクにしろ我が国の一部の先人達が特化して極めていた印象があった。レゲエはレゲエで本格的に着手しているグループが出てきていたし、だからソウルでいこうと思った。クラブ・カルチャーのノーザン・ソウルをこよなく愛するスキンヘッドが演奏するソウルみたいな感じたよ。ノーザン・ソウルってある時期にあるエリアでスピンされて流行ったソウルのことだから演奏形態や曲調を意味しないんだ、音楽ジャンルのようでジャンルじゃない。縛りきれない感じがいい。スタックスやタムラの誰もしらない69年~72年ものからミラクルズのラヴ・マシーンまで射程距離にいれていた。歌詞はやっぱりソウルのプロテスト的なスタンスに惹かれていたよ。パンクと同じ感覚。
−4thアルバム【RATS AND CROW】からは一気に印象が変わりますよね?
4枚目からは日本パンクの新しいモデル・ケースみたいなのを模索していったよ。心境の変化は日替わりだね。ただバンド然としたものを強くのぞむようになった。バンドって表現方法が好きだからね。
−僕個人としては、4thアルバム以降のアルバムはどれも大好きです。理由はストレートに伝わってくる歌詞の力です。歌詞や文章で伝える上で大切にしてる事はありますか?
言葉は誤解を生むのが必然なんだ。だけど闇雲に人を傷つけるような言葉は慎むように心掛けるようになったよ。なにも生まれないと解ったんだ。俺の発する言葉やメッセージで傷つく人がいなければいいなと思うようになった。
例えば、物凄い巨大な権力をもった組織に対して「あのクソの吹き溜まりが!」と俺ゴトキが言ってさ、その巨大な権力を持った組織の奴等が傷つくか?それよりも「そんな事もできないんだったら実家に帰ってクソして寝ろ!」とかさ、自分を誇示して相手の劣勢を笑うっていうの?誰かの劣勢を晒すっていうのかな、ヒップ・ホップのビーフっていうの、ああいった類の罵りあいは俺には必要ないかな。昔はカッコエエ~なんて思っていたけど歳を重ねてさ、親にもなってさ「どれだけキマってる」とか「あいつが気に入らねえ」とか熱くならなくなったんだ。ロックあるあるの先輩、後輩との舌戦だったら考えるけど・・・・けど、もういいかなやっぱり。
−4月から「子供食堂」をスタートさせますよね。潤一郎さんのブログやSNSなどで、経緯や内容は発信してるので、あえて詳しくは聞きませんが、「食べる」事にこだわった理由ついて、潤一郎さんの過去の経験などから《食べる》=《心の栄養》が必要と思ったからではないかな?と勝手に思ってます。今の潤一郎さんが思う、理想的な「子供食堂」とは何ですか?
またさ、これ言うと貧乏自慢とか、偽善者とかボロカス言われるんだけど独りで飯を真っ暗な部屋で食べるって凄くさみしいんですよ。特に子供の頃は。大人になったら自分で好きなモノを好きな時間に食べられるし、独りでも充分楽しいだろうけど・・・子供はね。きついんだよ。
−そうですよね。自分も震災を経験して「何を食べるか」よりも「誰と食べるか」の方が、どれだけ大事かを思い知りました。
周りがみんな同じ環境だったらいいよ、同じような貧乏が何人もいればさ気持ちに折り合いもつくんだろうけど、日本は金持ちと貧乏の高低差も凄ければ、貧乏の少数派が少なすぎるんだよ。「なんだよ!あの金持ち連中!俺達の力をみせてやるぜ!」なんて言えない程さ。40人クラスで4人もいないよ。10パーセント以下でしょ。徒党を組めればいいさ、同じ境遇のダチと笑い飛ばせるから。少子化で完全マイナリティーじゃ、それも出来ない。きついんだよ。それでやろうと思ったの子供食堂。最初は2週間に1回ぐらいのペースで。ライブハウスの次の世代のモデル・タイプも打ち立てたかった。地域にもっと土着した感じのさ。
−もしも、昔の潤一郎さんと似たような境遇の子供が居たら、どう接してあげますか?
普通だぜ。特別じゃないからな。ただ可能性を見せてやりたい。実は養護施設出身者の自殺の多さが問題視されているんだ。それと同時に養護施設出身者の風俗従事ってのがマジで問題なんだ。これはね、居た人はわかるとおもうんだけど・・・中卒で施設を出る奴も、高校卒も頑張って大学行った奴も、その時が来たら待ったなしでケツ蹴り上げられて社会に数万(俺は3万だった)握らされて放り出されるんだ。それと言っておきたいんだけど風俗で勤めている人を卑下している訳じゃないんだ。やりたくてやっている方もプライド、プロ意識もってやっている方が居るのは解っているんだ。仕事的にも別に他の職種と比べてどうのってのはない。ただ逃げ場も家も保証人も、それどころか正直「いなくなっても探す人がいない」弱者の心理を巧みに操って風俗に沈めて金を搾取する奴等が居るのも確かなんだ。

−こうした事が起きているとは、全く知りませんでした。住む場所も無いまま、施設を出ることになるのですか?
住み込みだよ基本。それでさ、そこでずっと働き続けられればいいけど、そんな奴、俺のまわりには居なかった。俺達は保証人も助けてくれる奴もいないわけ、金を工面してくれるやつも。だから1回こけると骨の髄までしゃぶりつくされるんだよ。風俗だと保証人も要らないし住み込み寮もある、負のスパイラルは弱者のまわりにばかりあるんだよ。だからね、これ今まで言わなかったんだけど、ライブの前のリハーサルにその地域の養護施設の子供達を招待したりするんだ。少しでも可能性と逃げ道をさ。ここに来れば誰かが助けてくれるでいいんだ
−ライブにレコーディング、ツアーを組みながらの子供食堂オープン、雑誌への執筆活動、それに日常の仕事や生活もあって、多忙過ぎる毎日と思いますが、潤一郎さんの1日のサイクルはどうなってるのですか?
長生きはできないと思うよ。毎日命をつかいはたしている感じだから。けどね、俺はとてつもなくラッキーで幸せなんだよ。毎日は仕事やって書いて、作って書いて歌って、考えて寝るってかんじだよ。
−普段、TVとか映画は見たりしますか?
TVは見る時間がなくて見ていないね。気になる映画は見ているよ。真夜中に見たり、空いた時間に見るようにしているよ。最近見て泣くほどよかったのは「ミックス。」ガッキーはマジでかわいいわ。
−へぇ〜。ガッキー好きなんだ。潤一郎さんも僕も、清純派な女性が好きだよね。僕らには届かない月ような(笑)
翔とはまったく好みのタイプが一緒だもんな〜。でも結局俺たちはさ、三蔵法師みたいな人がいいんだよ。いつも叱ってくれるようなさ。うん。
孫悟空西田敏行には必要だね(笑)

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西田敏行孫悟空

−ガッキーのせいで緊張感がなくなったので、次はプライベートな事を質問していきます。漫画とかは見ますか?
よく見ていたし、集めていたよ。水木しげる、つげ兄弟の作品には物凄くのめり込んだ。別にガロ系だけが好きってわけじゃなくて。
−あっ!漫画で思い出した!古谷実さんの漫画に、潤一郎さんソックリなキャラクターが出てましたよね?
俺、それ言われて見たんだけど、まあ確かにタトゥーの位置やら体系やら似ているけど俺がモデルってわけじゃないんじゃないかな~。「稲中」大好きだったから嬉しいけどね。いつか本人に聞いてみたいよね。
−この真相は知りたいですね!そういえば去年、42歳で念願の自動車免許を取得しましたが、そもそも免許を取ろうと思ったキッカケはなんですか?
ツアーの運転をするしかないと。メンバー脱退劇があって免許保持者が少なくなったので奮起して。通いなのに16日か17日で取ったよ。
−合宿並みのスピードですね(笑)自動車学校生活はどうでした?
最高だよね。もう一度通いたいよ。
−ガッキーに似てる娘とかいました?
翔。ふざけないでくれ。そんな事考えてる暇はないよ。ただ一度、インストラクターの先生とサイドブレーキで手が重なってさ、なにか始まりそうだったよ。偶々、外を乗り回す授業だったからね。「帰りたくないな・・・」なんて遠い目をして言ってくるんだけどさ。インストラクターの先生は声はかわいいんだけど、体は俺よりゴツくて髭も濃いんだ。男だからね。

−だから合宿並みに早く取ったんだね(笑)最近、立ち食いソバにハマってるみたいですが、都内で気に入ってるお店とありますか?
最高だよ立ち食いそばは。メンバーとよくいくんだ。プリズナー的に一番は日暮里の「一由」かな。個人的には中野の「田舎そばかさい」本当にビックリするぐらい美味しいんだよ。
−すごく気になるので、次回の東京ライブの時に行ってみます!ツアーも立ち食いソバ巡りとかはしますか?
いきたいんだけど、なかなか時間がなくて行けたり行けなかったり。仙台の「そばの神田」は美味しかったよ。
−「そばの神田」美味しいですよね!ちなみに、好きなソバのトッピングは?
今は春菊天食べたい!
−昔から好きな食べ物とかありますか?
餅。
−餅!?
そう餅。俺は無類の餅好きなんだよ。自分でもいやになるほど。
−これからはライブの差し入れに餅が多くなるかもよ(笑)他にありますか?
お菓子だとグリーン豆ってやつ!揚げてる緑の豆。あれと「どん兵衛」も好きだわ。あと菓子パンの「スペシャルサンド」大好き!
−それを食べて心も体も大きくなったんだね。よくプロレスラーに間違えられたり、スカウトされたりするみたいだけど(笑)好きなプロレスラーとかいますか?
好きなプロレスラーか。俺、ザ・グレート・カブキ好きだわ。店にもつれていってもらったんだけど。
−例えば、THE PRISONERをプロレスラーに例えるとしたら誰だと思いますか?
え~。軽々しく言えないけどタイガーマスクでありたいよね。
−いや、俺はタイガーマスクでぴったりだと思いますよ。じゃあ、STRANGENESSをプロレスラーに例えるとしたら誰でしょうか?
え~。小橋建太かな。
−あっ、それは嬉しい(照)そういえば昔「THE PRISONERは、メジャーレーベルからの誘いを断った」と言うのを、よく周りから聞いたことがありましたが、そういう話はあったのですか?
断ったっていうかディスクユニオンと道を歩み出して直ぐに他のレコード会社から話があった事はあったかな。
−もしあの頃に、他の大手レコード会社に行っていたら、今はどうなってたと思いますか?
俺達があの頃のまま大手のレコード会社に行っていたらってことだよね・・・間違いなくとっくに解散してると思うよ。あの頃のメンバーの関係性やものの考えかただったらね。
−毎年様々な場所へツアーに行きますが、まだ行った事の無い場所や、行ってみたい場所とかはありますか?
行ってない日本の土地には行ってみたいよ。全国のライブハウスをみてみたい。まだ会えない仲間と出会いたいよね。いったことがない県はまだあるよ。全国制覇したいよね。
−海外ツアーとかは?
海外は今、視野にいれてないんだ。呼ばれてタイミングあえば行ってみてもいいかな~ぐらい。なくなったんだ憧れが。
−ここ近年THE PRISONERのライブには、10代のお客さんが増えて来てる印象です。THE PRISONERに影響を受けて、これからバンドを始めようとしてる若者に、メッセージやアドバイスをお願いします。
たのしんでほしい。人生を。若さは正義だから。なにも恐れずにたのしんでほしい。
年配の方もプリズナーのライブは恥ずかしがらず謳歌してほしい。
色んな国の方、色んな性別の方、あらゆる年齢層がプリズナーのライブにはきていますから。みんなの楽しんでいる笑顔を見ると俺達マジでうれしいんだよ。
−それでは最後に質問です!突然「100万円」が貰えたら何に使いますか?
機材車を買わせていただきます!
−・・・なんだ。「餅を腹いっぱい食いたぁ〜い。」とか期待してたのに。
(無視)
−3月のベスト盤、4月に子供食堂オープン、5月のニューアルバムと、これからも楽しみにしてます。インタビューありがとうございました!
ありがとうございました。

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interviewer SHO(STRANGENESS/オフィスコマンド)